◆ 誰の目から見ても明らかな虐待だけが動物虐待ではありません

食餌や水を与えなかったり、体罰などの行いも虐待になるのです。
その動物を飼ったことのある人にしか判断できない飼育上の虐待もあります。
明らかな動物虐待はその手段が残虐なことが多く、また犯人自ら公にすることも少なくないため、私達が目にする虐待のほとんどは目を覆いたくなるものばかりです。
ですが私達の目に見えてるものは氷山の一角に過ぎません。
見えないところで起きている虐待がたくさんあります。
それに気付き、声になってあげられるのは、動物を愛する私達しかいないのです。
どうかお願いします。悲しい現実から目を背けずに、貴方の力を貸してください。

◆たかが動物と受け止めていいのでしょうか

動物虐待から人間の犯罪に繋がる可能性は十分にありえます。
『たかが動物』ではないのです。
なにより、動物達の命を人間の勝手で奪うことなど許されません。

2005年4月の時点で米国では動物虐待は22の州で重罪へと変えられたそうです。
動物虐待を軽視することは、人間への危害に繋がる可能性が充分起こりえるということを、今までの調査から想定しての結果です。
CA州では動物虐待を繰り返すことにより終身刑となることもあります。
日本ではまだこの関係性がきちんと熟知されていません。
しかし日本でも、数々の犯人が事件以前に動物虐待を繰り返しています。
もしこれらの犯人が動物虐待を行っていた事件で逮捕になっていたら、これらの事件は果たして起きていたのでしょうか。
動物虐待、見たら迷わず警察へ通報を!貴方の力で地域の安全化の一端を担ってください。

◆動物虐待と人間への暴力の間の関係

連邦捜査局(FBI)は1970年ごろから凶悪な殺人犯らの少年期を調べ、重要な共通項を見いだしました。
FBI元特別捜査官のロバート・レスラー氏が「彼らの多くが小学生時代、あるいはそれ以前から動物虐待を繰り返し他の生命の支配欲を満たし、快感を感じていた」と指摘。

もちろん動物虐待をする少年がすべて殺人犯を犯すとは言えません。
特に幼少期の動物虐待は好奇心や通過儀礼的な行動としても起こりえます。
が、7歳を過ぎても繰り返し動物を虐待し、快感を感じているケースでは、その少年が家庭や学校で問題を抱えていないかを調べる必要があります。
また、動物虐待は児童虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)とも深く関係しています。 HSUSが2000年、動物虐待者1624人を調べたところ、特に深刻な虐待を行った922人のうち21%が人間にも暴力を振るっていることがわかりました。

◆動物虐待は児童虐待を早期発見するシグナル

動物を虐待する子供をおおまかに分けると
@未成熟で社会的スキルや認知不足から虐待する子供
A自身が親などから虐待を受けている被害者
B将来反社会的行動を取る可能性のある子供
  に分類できます。

つまり、動物を虐待する少年は将来人間に暴力を向ける可能性があり、ペットを虐待する親は子供を虐待している可能性があり、動物を虐待する子供は親から虐待されているか、親の暴力を目撃している可能性が高いのです。

DVについても同じことがいえます。
97年、夫の暴力が原因でシェルターに逃げた101人の女性へのインタビューでは、夫から「ペットを殺すぞ、傷つけるぞ」と脅された経験を持つ人は 70%、実際に傷つけられたり殺された人も54%となっており、さらにDV被害者の女性の61.5%が「子供が動物虐待の現場を目撃した」と答え、この子供たちの3分の2は自らも動物に暴力を振るっていたそうです。

親から虐待されたりDVを目の当たりにした子は、動物やその他の弱い存在に対して暴力を再現する傾向があるようです。

◆なぜ動物虐待をするのか

※動物の支配
一時的に動物を自己の支配下に置こうとして、その動物の生態に反する状況に追いやる等の動物の肉体への過剰な懲罰を与える。
動物の躾をはるかに超えた行動。
(例:言う事をきかせる為に電気ショックを与えたり、暴行を加える)

※動物への報復
動物への的外れな憎しみから極端な罰を与えたり仕返しをする。
ささいなきっかけを快楽虐待の口実にし、異常なまでの復讐心を燃え上がらせる。
(例:自分の手をひっかいた猫を焼き殺す、吠え声のうるさい近所の犬を溺れさすなど)

※異種の生物を排除し、差別意識を満たす
人は時にある種の動物に対し好き嫌いを示す。
極端な嫌悪感はヘビ、ネズミや昆虫に対してである。 何人かの被験者は、それらの生き物を無差別に撃ち殺す、焼き殺す、切り刻むなどしていた。

※自己の怒りを動物を通して表現する
動物虐待は時として他人や動物へ自己の怒りを表現する為の手段として行われることもある。

※自己の攻撃性を高める
動物を殺したり虐めたりするのは自分たちの攻撃のテクニックを磨いたり凶暴性を他 の人に誇示するためだと供述した被験者がいた。

※他人が驚くのを見て面白がる
動物の虐待行為は愉快だからという理由で行われることがある。
他人の反応を見て楽しむのである。
某有名掲示板で明らかになった虐待のほとんどはこれにあてはまる。

※復讐の対象として
復讐対象の身代わりとして動物を虐待する場合もある。
この場合はターゲットとして、他人が所有している動物(ペット)が選ばれることが多い。

※別の人間の身代わりにする
上記の例に関連する動機として、ある人に対しての怒りを発散させるというものがある。
典型的な例は、自分がはむかえない相手に向けての不満を動物にぶつけるというような行動である。

※単なるサディズムから
とりたてて動物への憎しみや嫌悪感がないのに、動物を痛めつけたり殺害したくなるといった欲求による虐待が挙げられる。

※人間より弱いことがわかりきっている動物を虐待するという行為は、同じ人間として許せません。
ペットや小さな子供は、虐待されていても保護者を慕います。
保護者に愛してもらおうと努力します。 その努力を受け止めず、ただ痛めつけるというのは、人間としてあるまじき姿です。
人間の欲望のために動物が虐待されることが増えないように、身近なところから、できることから始めてもらえたら嬉しいです。


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